現在の宇宙旅行ビジネスについて
2021年、アメリカのスペースX社により打ち上げられた宇宙船で、史上初めての民間人のみでの宇宙旅行が成し遂げられました。
以降も続々と民間人が宇宙に飛び立っており、宇宙旅行は十分に実現可能なものになりました。
もっとも、現時点で宇宙旅行サービスを利用できるのはごく一部の富裕層くらいのものです。
現在のところ宇宙旅行ビジネスを手掛けている企業は4社とかなり少なく、いずれもアメリカの企業です。
これらのうち利用しやすいのはヴァージン・ギャラクティック社、ブルーオリジン社が手掛ける宇宙旅行ですが、現時点で最も安いブルーオリジン社の宇宙旅行でも20万ドルがかかります。
ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行の価格は25万ドルから45万ドルに値上げされましたが、いずれにしてもそう簡単に手が出せるものではありません。
また、この2社の宇宙旅行で宇宙に滞在する時間は3分から4分程度で、宇宙にある施設に向かい宿泊して地球に帰ってくる、みたいな本格的な滞在ではありません。
実質的には宇宙空間の無重力状態を3分から4分ほど体験するものですが、それでも先に書いたような莫大な費用がかかります。
宇宙旅行という言葉から連想されるイメージに近いのは、スペースX社、スペース・アドベンチャー社が手掛けている宇宙旅行です。
これらは国際宇宙ステーションに滞在する本格的な宇宙旅行ですが、価格も相応に高くなります。
スペース・アドベンチャー社の宇宙旅行の価格は3700万ドル、スペースX社の宇宙旅行の価格は5500万ドルで、宇宙に滞在するためには日本円で何十億円ものお金が必要です。
ちなみに、2023年にはスペースX社による民間人の月旅行が計画されており、宇宙旅行がビジネスとして今後ますます注目を集めるのは間違いありません。
誰でも気軽に宇宙に飛び立てるようになる時代はまだまだ先だと思われますが、夢を感じられるのは確かです。
宇宙旅行へ行く際の乗り物は
宇宙に行くための乗り物としてまず連想されるのはロケット、スペースシャトルですが、スペースシャトルは2011年を最後に役目を終えており、現在のところ後継機もありません。
性能はそれぞれ異なりますが、宇宙への打ち上げに用いられる乗り物は基本的にロケットです。
ただし、スペースシャトルのように再利用を前提とした乗り物が今後登場する可能性は十分にあります。
未来の宇宙旅行の主役と目されているのが、滑走路から離陸して宇宙に飛び出し、再び滑走路に戻ってくる、打ち上げ設備不要のスペースプレーンです。
スペースプレーンは多くの国が開発に乗り出しており、スペースX社もスペースプレーンの開発を検討していますが、現在のところはまだまだ構想段階で実現の目処はついていません。
宇宙旅行がもっと身近な存在になるためにはスペースプレーンのような乗り物の存在は必須なので、今後の開発の行方に注目したいところです。