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人類が再び月へ行くアルテミス計画とは

アルテミス計画とは、その中身について

人類が初めて月面に降り立ったのは、1969年7月20日のことです。
それからおよそ半世紀後の2017年、アメリカは再び月面着陸計画をスタートさせ、2019年には一連のプロジェクトの名前がアルテミス計画であること、2024年に有人での月面着陸を目指していることが発表されました。
アルテミス計画を主導しているのはアメリカ航空宇宙局ことNASAで、様々な国や民間企業がパートナーとしてアルテミス計画に関わっています。
日本もその一員で、2020年には、NASAと文部科学省が月面探査に協力するという共同宣言に署名しました。

2021年から2022年にかけて宇宙航空研究開発機構ことJAXAは、月面での活躍を見据えた宇宙飛行士の募集を行っており、本気度がうかがえます。
もっとも、アルテミス計画はコロナウイルスの流行、予算不足などの影響もあって、当初の予定通りには進んではおらず、2022年9月中旬時点では計画第1弾の無人ロケットの打ち上げがまだ終わっていません。
有人での月面着陸の予定も2025年以降に延期されており、今後の計画の行方が注目されています。

月へ行くまでの方法は

かつての月面着陸と違い、アルテミス計画では継続的な月面の開発が予定されており、有人での月面着陸は今後の計画のスタートラインに過ぎません。
アルテミス計画の肝とも言えるのが月軌道ゲートウェイで、こちらは月の軌道に構築される予定の宇宙ステーションです。
月軌道ゲートウェイを構成する要素は数回に分けて打ち上げられ、徐々に完成形に近づいていきます。

現在想定されている月への行き方は、NASAが開発を進めている宇宙船のオリオンで宇宙飛行士たちを月軌道ゲートウェイに運び、月軌道ゲートウェイに用意されている月離着陸船に乗り換えるというものです。
ただ、2025年以降に予定されている最初の有人の月面着陸で、月軌道ゲートウェイを経由するのかは、現時点でははっきりしていません。

アルテミス計画における日本の役割

先に書いたように、月軌道ゲートウェイを構成する要素は数回に分けて打ち上げられていく予定で、日本のJAXAは国際居住棟と呼ばれる居住スペースへの機器の提供や、物資補給モジュールの打ち上げを行います。
そして有人の月面着陸後に予定されている月面開発では、JAXAとトヨタ自動車が共同開発する月面探査マシン、有人与圧ローバが活躍してくれる予定です。
有人与圧ローバは月への適応を施した特殊な自動車で、中に入る人は月の気圧の影響を受けることなく、月面をくわしく調べられます。

現在のところ、有人与圧ローバは42日間で合計1万キロという相当に過酷な走行に挑む予定です。
走行の際のエネルギー問題を解決するため、最先端の燃料電池システムと太陽光発電システムの併用が計画されています。
アルテミス計画はまだまだ始まったばかりですが、日本の技術力は計画の成功に大きく関係してくると言ってもよいでしょう。