ボーイング社が開発を進めている超音速機
長距離を移動できる手段として現代で一般的になっているのは飛行機ですが、さらに高速で移動できる「超音速機」という手段の開発が進められています。
超音速機はその名前の通り、音速よりも速い速度で移動する旅客機です。
開発を進めているのはアメリカのボーイング社で、飛行機を開発している企業としても知られています。
ボーイング社が開発している超音速機は音速を超えるだけでなく、なんと音速の5倍の速度で移動する性能を誇っています。
これは「マッハ5」と呼ばれるスピードで、まさに漫画のような世界を彷彿とさせる乗り物と言えます。
ただ、実用化にはまだしばらく時間がかかり、2020年以降の実用化予定となっています。
実際に乗ることができるのはまだしばらく先になるかもしれませんが、これからも開発の進捗はニュースとして伝えられるでしょう。
各地をどれくらいのスピードで移動できるのか
マッハ5のスピードが出ると、各都市にとても素早く到着することができます。
ボーイング社のあるアメリカから超音速機が出発する場合、世界の各都市へ移動するのにかかる時間は2~3時間と計算されています。
日本からアメリカへ飛行機で向かうには、10時間を超える時間がかかります。
しかし超音速機に乗れば、この時間が大幅に短縮されることになります。
現状でも日本から世界の各地に行くことはできるものの、10時間以上のフライトは体力的に大変です。
年齢が高くなるとその負担はより大きくなり、あまり移動したくなくなることもあります。
しかし超音速機が一般に普及すれば、簡単に世界を旅行できるようになるのです。
ボーイング社のCEOであるデニス・マレンバーグ最高経営責任者は、超音速機の開発に自信をもっています。
世界では他の企業も超音速機の開発に力を入れており、今後の競争はさらに激化する可能性があります。
すると先に開発した企業が空の主導権を得ることになるため、各社とも開発を急いでいます。
地球が見える高度で飛行
超音速機はただ速く飛ぶだけでなく、飛行する高度も飛行機より高くなっています。
現在空を飛んでいる旅客機は、地上から約1万メートルほどの高さを飛行するのが一般的です。
これに対して超音速機は、なんとその約3倍にあたる2万9千メートルを飛行する計画となっています。
非常に高い高度で、飛行中は窓の外に雲が見えるのではなく、地球が見えると予想されています。
現在は宇宙へ飛ぶ乗り物としてロケットが注目されていますが、これからは超音速機も宇宙と深い関係のある乗り物になっていくと言えます。
超音速機が日本からも乗れるようになれば、今後の観光業は大きく変化することが予想されます。