1. >
  2. >
  3. 全国で唯一電車が走っていない徳島県

全国で唯一電車が走っていない徳島県

徳島で電車が走っていない理由

47の都道府県の中で唯一電車が走っていないのが、徳島県です。
そんなことがあり得るのかと疑問に感じられるかもしれませんが、もちろん徳島県に列車が全く走っていないわけではありません。
JR四国の路線が走っていますし、1992年の阿佐海岸鉄道の開業により戦後初めての私鉄も誕生しました。
しかし、これらの路線に走っているのは汽車であって、皆さんがよく知る電車ではありません。

まず、列車とは列を作って走る鉄道車両のことで、駅と駅の間をつなぐ線路を走る車両は、全て列車です。
電車は列車の形態の1つで、列車のうち電気の力を借りて走るものが電車と呼ばれています。
つまり、徳島県には駅も線路もあり列車は走っているが、電気の力を借りて走る電車が存在しないということです。

徳島県に住んでいる方は、県内で走る列車を汽車と呼ぶことが多いですが、今度は汽車とは一体何かという問題が発生します。
蒸気機関車のように、蒸気機関で動く機関車により引っ張られる列車のことを汽車と呼ぶのが一般的です。
ただ、汽車は他にも様々な意味で用いられる言葉で、ディーゼルエンジンにより動く気動車を汽車と呼ぶ地方もあります。
徳島県で汽車と呼ばれているのは、ディーゼルエンジンで動く気動車で、機関車により引っ張られる列車ではありません。
また、徳島県にお住まいの方全員が、徳島県で走る列車のことを汽車と呼ぶわけではないので注意が必要です。

電車を動かすためには、電車に電気を取り入れられるようにするための設備が必要で、このような設備が整っている線路は電化路線と呼ばれます。
電化路線でない線路は非電化路線と呼ばれますが、徳島県の線路は全て非電化路線なので、電車を動かすことはできません。

徳島で電化が進まない理由とは

徳島県で線路の電化路線化が進まない理由としてまず挙げられるのはお金の問題で、当然ながら線路を電化路線にするためにはお金がかかります。
電化路線化の話が全くなかったわけではなく、1912年には電車を走らせることを目標とする私鉄、阿波電気軌道が設立されました。
しかし、電化路線化が行われないまま阿波電気軌道は国有化されてしまい、阿佐海岸鉄道が開業するまで、私鉄が存在しない時期が長く続きました。
豊富な資金力を持つ私鉄が生まれなかったことは、徳島県に電車がないことと大きく関係しています。

また、1973年には四国新幹線が計画され、淡路島経由で徳島、そして高松に至る新幹線が開通するかと思われましたが、こちらの計画が進むことはありませんでした。
四国新幹線の計画が止まってしまったことも、徳島県の電化路線化が進まなかった要因の1つです。
しかし、2010年代に入ると四国新幹線の話が再び持ち上がるようになったので、今後四国新幹線の話がうまく進めば、徳島県内を電車が走る日が来るかもしれません。