飛行機は定められた航空路を飛んでいる
空には地上のような明確な道路や鉄道路線が存在しませんから、一見すると飛行機は好きなラインで飛んでいるかのように思えます。
しかし、それではたくさんの飛行機が飛行しているエリアでは衝突などの大事故につながる恐れがあります。
そこまで行かなくても、無駄な動きをしてしまい、余計に時間や燃料を消費してしまうことになります。
そこで、より安全かつ効率よく飛行できるよう航空路があらかじめ定められいて、そのルートに従って飛行機が飛んでいるのです。
地上の道路は左右と前後だけの位置関係で済みますが、空の場合はそれに加えて高さという次元が加わります。
そのため航空路は3次元での設定となっていて、それぞれの飛行機に航空路が割り当てられ、非常に速いスピードで飛んでいるとしても近づくことがないようにコントロールされています。
もちろん、空にはなにか線が引いてあるわけではありませんので、航空路が目に見えるわけではありません。
そこで、空港や管制センターがそれぞれの飛行機に指示を出して、どのような方向に進むべきかを指示しているのです。
管制官と管制センターの役割について
空港やいくつかの拠点には、管制センターが設けられています。
管制センターには大きなレーダーが設置されていて、エリア内を飛行するすべての飛行機が分かるようにしています。
レーダーから入ってくる情報をコンピューター処理することによって、すべての飛行機の所属や機体番号などを判別します。
その上で、現在の位置と共に、進行方向やスピードなども割り出すことができます。
日本と周辺のエリアをカバーするために合計4つの管制センターが設けられていて、細分化されたエリアを担当しています。
基本的には、エリア内に入ってきた飛行機は、それぞれの管制センターがすべて航空路の把握や指示をすることになります。
ただし、一部の軍用機などについては別のシステムで運用されることもあります。
また、通常管制センターには管制塔があり、高い位置から直接飛行機や滑走路を目視できるようになっています。
さまざまな画面から入ってくる情報と共に、自分たちの目で見た情報を追加して判断をしているのです。
こうした情報のチェックや航空路の判断、パイロットとの連絡と指示を出すのが管制官です。
管制官は空港と管制センターに分かれて業務をしています。
空港から離れたところにいた飛行機については管制センターの管制官が指示を出し、着陸する間近になったら空港の管制官に引き継いで、着陸と滑走路内の誘導を行ってもらうのです。
こうした管制センターのスタッフや管制官は、高度な専門知識と瞬時に状況を判断し的確な指示を出す能力に優れた人たちばかりで、安全な飛行を見守っているのです。