小型SUV
今はクライスラーブランドとなっているチェロキーは、元々、アメリカンモーターズが開発した、小型SUVでした。
このモデルを元に新設計で登場したのが、XJ型になります。
ワイルドなアメリカンスタイルから、ヨーロピアンテイストを取り入れ、モノコックになります。
軽量化を大幅に行い、爽快な走りへと変化し、デザインも受け入れられ、日本でもヒットします。
ジープというブランドを、一気に人気ブランドにしたのも、このチェロキーです。
XJ型の最大の特徴というと、今までのモデルと大きくデザインを変えたことです。
ルノー傘下に入ったアメリカンモーターズは、フランスの影響を受けて、ワイルドなスタイルと大型車という従来の形から、ほどよい大きさ、ヨーロピアンテイストという、欧州車に近い車になります。
このような形の車は、日本でも受け入れられヒットし、人気となります。
もう1つの特徴と言うと、サスペンションです。
モノコックで車体は軽量化されており、なおかつコイルスプリングを使ったサスペンションにより、頑丈になっています。
オフロードはもちろん、舗装路でも快適な走りを実現し、オフロード車以外にも使い道はあります。
このようなサスペンションなどを舗装路に対応させたのがSUVであり、XJ型はその先駆けとも言えます。
XJ型のライバルというと、1つにランドクルーザーがあります。
これはオーストラリアで発売すると、一気に他の4WDを追いやり、一躍人気モデルとなります。
ランドクルーザーはパジェロをライバルとしており、パジェロもXJ型のライバルです。
これは、4WDをさらに乗用車として使えるようにしたモデルで、三菱ブランドは中国などでも人気が出ました。
右ハンドル車が登場
画期的な試みだったのが、右ハンドル車を登場させたことです。
ヨーロピアンテイストでしたが、左ハンドルにはこだわっており、右ハンドルはアメリカでの実用となると不便でした。
これが、アメリカ車を輸出するときの障害ともなっていました。
しかしチェロキーは、郵便を素早く回収するための、右ハンドルの郵便モデルを、一般向けにして、輸出します。
これにより、日本などで実用面で問題なくなり、値段も安いこともあり、人気モデルとなります。
昔からアメリカ車は、日本では売れないという問題があり、左ハンドルでしかも車体が大きく、日本では不向きという点がありました。
チェロキーは、小型でヨーロピアンテイストで、しかも早く右ハンドル車を登場させたことによって、日本で定着し、ジープブランドが確立されます。
昔から日米貿易摩擦のある中で、数少ない日本で売れるアメリカ車となっています。
今でも日本で人気の車で、アメリカとの架け橋ともなる車です。